いつBCMFを訪れましたか?
2010年1月23日
メソットにおいて、あなたはどのような経験をしましたか?
日本では決して感じることのできない「国境」という存在を肌で感じることができた。
メンタオクリニックの活動についてどう感じましたか。
以前から名前だけは知っていた。ターク県メータオ市にメータオクリニックという世界的に有名なクリニックがある。このクリニックは世界各国のNGOによって共同運営されており、国内で満足のいく治療を受けることのできないビルマ人患者が、このクリニックだけを頼りにわざわざ国境を超えて治療を受けに来るという。
今回、ここで働くNGO団体BCMFのケィティさんに施設内を案内して頂く機会があった。実際に、このクリニック内を見学させて頂いて、施設の規模と患者さんの人数には驚きを隠せなかった。クリニックは患者さんとその家族であふれかえっておりクリニックというよりも「村」と呼んだ方が正しいのでは、と思ってしまうほどであった。
クリニックは、資金、医療設備、お医者さんの人数、患者さんを収容しておくスペースなどすべてが不足しているようで、患者さんが治療を受けるのを待機している間に亡くなってしまうというケースも少なくないという。実際、見学をしている間に屋外で寝転がって診察の順番を待っている患者さんがよく目に入った。
私はこのようなとても過酷な現場を目の当たりにして、とても心が痛くなったが、このような状況下においても、一人でも多くの患者さんの命を守ろうと懸命に働くNGOスタッフの姿を見てとても励まされた。それと同時に、では自分にはなにができるのだろうかと考えさせられた。
BCMFの活動についてどう感じましたか。今回、クリニック内を案内してくださったケィティさんはNGO団体BCMFのメンバーとしてこのメータオクリニックで働いている。BCMFが受け持つ患者さんは、重い病気を患った子供たちであり、彼らのために資金調達をするのが彼女の役目である。彼女の担当する子供たちは心臓病などの重病を抱えているためにメータオクリニックでは治療を施すことができず、チェンマイの大きな病院に行かなければならない。そのための渡航費、治療費、滞在費などその他諸々の経費を集めなければならないのだ。
クリニックの見学が終わってからのこと。私達は夕食をとるためにクリニックをあとにし、町の中心にあるレストランへ向かった。ご飯を食べている最中に彼女に一本の電話が入った。彼女の担当している患者さんが亡くなったという知らせであった。彼女は、担当する患者さんのほとんどが重い病気を患っていることから、患者さんの死に遭遇することは日常茶飯事であるという。それでもめげることなく日々資金集めに頑張るケィディさんの姿は私の目にとてもかっこよく写った。しかしどうして彼女はこんなにつらい仕事を続けられるのか不思議に思った。
しかし彼女は、つらいけれどやりがいのある仕事だから毎日仕事をしていて楽しいという。
私はこの「楽しい」という言葉に、最初とても違和感を覚えたが、一生懸命集めた資金で患者さんの命を救えた時の喜びはひとしおかもしれない、と感じた。
彼女はメータオクリニックやBCMFの存在を一人でも多くの人々に知ってもらいたいと話していた。
私もこのクリニックでの見たもの、感じたものを身のまわりの友達や家族に伝えていく努力をしようと思っている。そうすることで少しは私もこのクリニックに貢献できるような気がするできるような気がするのだ。